社会人から大学に編入学するための方法

社会人からの大学編入

社会人から大学へ編入を目指すにあたって、情報収集や勉強時間の確保など様々な壁が立ちはだかっています。

この記事では社会人として働きながら勉強して大学工学部に合格して実際に大学編入した経験を基にして立ちはだかる壁の乗り越え方や注意点について解説していきます。

大学や編入試験について情報収集

先ずやるべきことは、志望大学の募集要項の確認です。受験資格を満たしていなかったり、必要な書類を準備できないと受験自体ができないのでよく確認する必要があります。

大学によっては下記のように社会人向けの編入試験もあるので、自分自身の状況を踏まえてどの試験区分で受験するかよく考える必要があります。

私は会社の許可証が不要な大学の一般入試を受験して合格しました。

一般向けの編入試験を受験

高専から大学編入を目指す場合はこちらで受験することになります。もちろん社会人も受験可能であることが多いです。

勉強時間が十分に確保できる学生との競争になるので受験対策に早めに取り組みましょう。

社会人向けの編入試験を受験

大学によっては社会人特別入試のような試験区分がある大学もあります。

社会人が働きながら受験することを考慮して単純な学力以外の要素(業務経験や志望理由など)を重視して評価される傾向にあると思いますので試験自体は社会人に有利です。

しかし、受験にあたっては会社の許可証(推薦書など)の提出が求められることがあるので、会社に内緒で受験することができないといったデメリットがあります。

受験勉強のポイント

ポイントを先に述べると、「ライバルよりちょっとだけ早くスタートを切り」、「過去問に沿って」、「日々勉強記録を積み重ねていく」というたった3つだけです。細かく勉強の計画を立てても、計画と自分ができる勉強量とが乖離していて、計画通りに行かず、勉強をやめてしまうという結末になるケースは多いと思います。それよりも単純明快な戦略に沿ってとにかく毎日机について勉強してみながら勉強内容を日々改善していくことが大事だと思います。

具体的な勉強テクニックは下記の記事にまとめましたので参考にしてください。
社会人が大学や難関資格に働きながら合格するための勉強法

まずは過去問を入手!

大学編入試験に限らず、定期テストや資格試験などあらゆる試験において、真っ先にやるべきことは過去問を入手して出題傾向を知ることです。

しかし、大学編入試験の過去問は書籍として出回ってはおらず、大学のホームページで公開されていないケースもあるため、高専の学生課や先輩・友人から入手したり、大学の図書館で印刷して入手するなどあらゆる手を使って入手しましょう。

私の場合は、試験が口頭試問だったので文書としての過去問がなく、大学編入した高専時代の同級生に編入生の知り合いを紹介してもらおうとしましたが上手くゆきませんでした。そこで、出題内容として明記されている「口頭試問(数学、物理を含む)」という情報と、筆記試験形式の他学科の数学や物理の過去問から勉強すべき範囲の絞り込みを行い、微分積分、微分方程式、線形代数、力学を勉強することにしました。

早めに勉強をスタートしてライバルに差をつけておく

高専時代を振り返ると、多くの同級生達は2月下旬の学年末試験が終わって春休みの開始と共に大学編入試験の勉強を始め、6月に試験本番を迎えます。春休みの約1か月間は授業が全くないので、現役生達はここで一気に勉強してきます。

一方で、私は社会人として働いていたので使える時間は平日の夜と休日しかありません。そのため、私は10月から勉強をスタートして翌年の6月に試験本番を迎えるスケジュールで勉強をしました。1日の勉強時間は2~3時間程ですが毎日積み重ねることで現役生よりも勉強時間を確保できたと思います。もし、現役生であれば、前年秋から少しづつ大学編入試験の勉強を開始していれば春休み開始時点でライバルに大きな差をつけることができます。

1日の勉強時間と勉強内容を記録しておく

1日の勉強時間と勉強内容は記録するようにします。これらの記録はアプリで簡単にとることができます。闇雲に勉強してもモチベーションがあがらずに息切れしてしまったり、勉強内容が偏ったりしがちです。

そこで、記録をつけることで、日々達成感を感じることができ、「昨日よりもう少し長く勉強してみよう」モチベーションアップにもつながります。また、勉強内容の内訳がグラフでみれたりするので勉強内容の偏りにも気づくことができます。

そして、試験直前の不安な時期に勉強記録を振り返ることで「これだけやったから大丈夫」と自信を持つこともできます。

受験に会社の許可な場合の対応

各大学の編入試験の受験案内を見てみると、「会社等で勤務している人は受験に会社の許可が必要」と書かれている大学もいくつかあります。受験は個人の自由であるはずなのになんとも理不尽ですが、これについては、以下の方法が考えられます。

会社の許可が不要な大学をこっそり受験する

私の場合は、行きたい大学が許可不要でしたので、この方法を採りました。欲を言えば旧帝大に挑戦したかったのですが、会社の許可が要件だったこともあり、断念しました。先ずは、許可不要な大学に編入してから、大学院入試で本当に行きたい大学に進学するというのも手だと思います。私としてはこの方法が一番安全かつおすすめです。

会社を退職して大学を受験する

会社を退職すれば、本要件は関係なくなりますので自由に行きたい大学を受験することができます。受験勉強にも専念できる点でもメリットがあります。

しかし、当然収入がなくなりますし、万一受験に失敗すればキャリアに大きな空ができてしまいます。実家の理解や金銭的援助といった経済的サポートを十分に受けることができる状況でもない限りあまりおすすめはできません。

会社と交渉して許可を得る

正攻法として会社と交渉して許可を得て受験するという方法もあります。しかし、「会社として高専卒社員を大学に進学させる制度があり、その候補として選ばれた」というような極めて稀な状況でない限りおすすめできません。下手に会社に話しても、突き返されるだけではなく、「退職を考えている問題社員」とみなされて職場に居づらくなります。

合格後から退職までのポイント

様々な壁を乗り越えてめでたく合格できたとしても、大学に入学するまでに乗り越えなければならない壁がいくつかあります。入学に向けて慎重に準備しましょう。

退職を切り出すタイミング

会社に内緒で無事に編入試験を受けてめでたく合格したとします。大学編入試験は6~7月頃に行われることが多く、合格発表も同じくらいの時期です。合格すると合格証書と入学の意思を確認する書類が送られてくるので、入学の意思ありで返信するのですが、この時点で会社には何も伝える必要はありません。

会社にこのことを伝えると、即退職の手続きに進むことになります。その結果、7月から来年4月の入学まで収入がなくなりますし、キャリアに空白ができてしまいます。

私は入学手続きが完了して入学が確定した12月下旬に退職の意思を伝えました。すると、翌年の1月下旬の退職で即退職の手続きが始まりました。大学に合格して時点で伝えなかったことについて人事に嫌味を言われましたが、先ほどのデメリットに比べれば大したことではありません。

学費や生活費の準備

大学進学には当然お金がかかります。必要な資金の目安や負担を軽減する制度について以下の記事にまとめています。

大学編入のためお金の話と節約術

退職までのまとめ

私の経験上、大学進学については、入学直前まで会社(関係者全て)には一切黙っておくことを勧めます。こっそり大学受験することについて後ろめたく感じるかもしれませんが、そもそも転職活動や受験は個人の自由ですし、就業規則で退職の1か月前に退職の意思を伝えるという規則があるなら単にそれに従うだけです。社会人からの大学編入は孤独な戦いですが、私のように前例もあるので気持ちを強く持って臨んでください。

最後に

社会人からの大学編入は前例や情報が少なく、一度社会のレールから外れることに不安を感じることもあると思います。しかし、それを乗り越えた先には新しい学びやキャリアが待っているので、皆様の挑戦が実を結ぶことを願います。

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