高専卒社会人から大学に3年次編入学するまで

社会人からの大学編入

このブログでは、高専本科卒業で造船メーカーに就職した社会人から大学に3年次編入学した経験を基に、進路選択が近づいた高専生、高専卒で就職したけれども大学に興味がある社会人のために参考になる情報を発信します。

この記事では、高専卒社会人から会社を退職して大学編入するまでの経緯とその後について説明します。

高専での成績は40人中20番前後

高専とは高等専門学校の略称で、理工系の専門教育を行い、技術者を養成するための5年制の学校です。私は、出身地にある高専の電気電子工学科に入学しました。

中学時代の成績はかなり良かったのですが、高専に入ると周りは優秀な人ばかりで高専での成績は中の下に落ちてしまいました。予習復習する習慣もなかったので授業にもついていけずテスト前だけ必死に勉強してなんとか追いついて留年こそしませんでしたが成績順位は約40人中20番前後を行ったり来たりしていました。

高専本科卒で造船メーカーに新卒入社

入学時のオリエンテーションで言われた「高専卒は大卒と同等」という言葉を本気で信じていたので、高専4年生の終わりに差し掛かっても大学には特に興味が湧かず、就職し易い高専卒で自分が好きな航空関係や船舶関係の会社に就職できればいいと考えていました。

そして、就職活動の結果、2012年に高専本科を卒業して造船メーカーに高専高卒事業所採用という区分で新卒入社しました。

高専からの進路選択については、下記の記事を参考にしてください。
高専生の進路、就職と進学どちらがよいか
高専生のための後悔しない就職活動の進め方

造船メーカーに入社後、船の建造の計画を行う部署に配属され、自部署や設計部署、溶接現場、塗装現場などを回って船に関する基礎教育を受けながら仕事を覚えてゆき、半年を過ごしました。

入社半年で大学編入を目指す

初めての社会人生活に一定の充実感を感じつつも、社内の様子を見たり先輩社員から話を聞いていくと、私は高専高卒事業所採用であるため、大卒本社採用とキャリアパスが異なり、ジョブローテーションはなく、基本的にはずっと同じ部署で同じ仕事を続けることがわかりました。

さらに、昇進においても、課長といった一定以上の役職に就くことが困難であることもわかりました。

そのため、ここにきて「このままでいいのか」「何か行動しなければ」と真剣に悩むようになりました。そこで、公務員への転職を考えたり紆余曲折があった末、国立大学の船舶工学系学科への3年次編入を目指して入社1年目の10月から働きながら受験勉強を開始しました。

高専から就職した実体験を以下の記事にまとめています。
高専卒での就職 大卒との扱いの違いと後悔

大学編入試験へ合格

翌年の6月にある編入試験に向けて、微分積分、微分方程式、線形代数、力学、英語(TOEIC)の勉強に約8か月間取り組み、仕事終わりの夜や休日を使って少なくとも630時間は勉強しました。高専時代まともに勉強しませんでしたが、いままでの自分と決別して人生を変えたいと必死で勉強に取り組みました。

その結果、試験本番での手応えは今一つだったものの、なんとか合格を果たすことができました。

大学編入試験全般の対策については、下記の記事を参考にしてください。
社会人から大学に編入するための方法
大学編入・院試の志望理由書と面接対策
各科目の勉強法については、下記の記事を参考にしてください。
高専からの大学編入おすすめ参考書と勉強法

会社を退職し大学に入学

大学編入試験の合格発表は6月下旬で、入学手続きは12月下旬なので合格発表後の半年間は普通に働いて過ごしました。そして、12月下旬の入学手続きのタイミングで所属長に「大学に進学したいので退職したい」旨を伝えました。

そのことで、所属長や人事からかなり怒られたり、残務処理に追われたりして精神的に追い込まれながらも1月下旬になんとか退職して逃げるように実家に戻りました。実家では、これから始まる大学生活に期待を膨らませながら入学準備を進め、大学近くで一人暮らしを始めて4月に晴れて大学生になりました。

充実した大学生活

短いながらも社会人を経験していたので、勉強や課外活動に存分に打ち込めるありがたみを感じながら大学では大変充実した時間を過ごすことができました。

社会人から編入してきた2歳年上の私でしたが友人にも恵まれ、勉強や研究に打ち込んだ結果、成績は学科2位、卒論成績1位で表彰もされました。成績順位20番のいわゆる陰キャで周りから見下されていた高専時代から自分を大きく変えることができました。

再び大手メーカーに新卒入社

大学院修士まで進み、現役生より2年遅れの26歳での就職活動でしたが、大手建設機械メーカーへの就職が決まりました。建設機械メーカーでも新たな仲間に恵まれ、開発担当者として充実した日々を過ごします。

就職活動については、下記の記事を参考にしてください。
大学・高専生のための就職活動の進め方

ところが、若気の至りで「会社の看板に頼らずに専門職として社会に認められたい」と意気込み、弁理士を目指して特許事務所に転職するものの・・・。

建機メーカーから特許事務所に至る活動を下記にまとめています。
技術士第一次試験のおすすめ参考書と勉強法
特許事務所で働くメリットとデメリット
特許事務所でのクラッシャー上司体験談

まとめ

高専卒社会人から大学編入したことを通じてわかったことを以下にまとめます。

  • 高専卒社会人で働きながら勉強して国立大学に3年次編入は可能
  • 大学生活において年齢でのハンデを感じることはない
  • 現役生より2年遅れの26歳でも大手企業に就職は可能

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