高専卒での就職 大卒との扱いの違いと後悔

就職・転職活動

高専卒は高卒と大卒の中間的な立ち位置で、短大卒、専門卒とも異なります。そのため、企業において高専卒がどのように扱われるのか不安に感じている人も多いと思います。

企業での高専卒の扱いは企業や採用区分によって異なりますが、好ましくない事例として、私が高専卒で大手メーカーに就職して大卒との扱いの差を知って後悔した体験について紹介します。

高専から就職活動して大手造船メーカーに内定

高専での成績は中の下、大学で勉強したいという意欲もなく、飛行機や船マニアだった私は、好きなことを仕事にできればいいと軽く考えていました。

高専での就職活動では当初、航空整備士を目指して大手航空会社系列の航空整備会社の選考を受けていました。しかし、最終面接で落ちて航空整備会社への就職は叶いませんでした。

航空整備会社の選考体験は下記の記事にまとめています。
高専から航空整備士になるには~航空整備士の選考体験記~

航空整備会社に落ちて、ひどく落ち込みましたが、学校に来ていた求人票で目をつけていた造船メーカーを受けることにして少しづつ立ち直っていきました。そのメーカーは私が好きな艦艇の建造も行っている造船大手の一角で、飛行機から船へ気持ちを切り替えてがんばろうと思いました。その会社の選考はSPIと一回の面接でした。

そして、いよいよ面接を受けに人生初の某県に行きました。恥ずかしながら人生で初めて新幹線に乗って前日入りして駅周辺を散策、近くのホテルに泊まりました。

当日は駅からバスで一時間かけて海辺の田舎町にある造船所に行きました。バスの窓から見えた造船所の景色に圧倒されたことを覚えています。

集合場所の迎賓館に着いて採用担当の方と合流しました。最初に迎賓館の食堂で昼食をご馳走して頂き、カツカレーを緊張しながら食べました。

そして、いよいよ面接。総務部の管理職、後の所属長となる技術系の管理職の方をはじめ3人との面接でした。航空整備会社での面接経験を活かして無事に面接を終えることができました。

面接後は採用担当の方と工場見学をして、建造中の船やディーゼルエンジンの大きさや迫力に圧倒され、ここで働くという希望が膨らみました。

面接からしばらくして、先生から内々定が伝えられました。こうして高専での就職活動が終わりました。大好きな船を造っている大手メーカーに内定したことを素直に喜び、この会社で活躍したいと希望に胸を膨らませました。

高専卒の扱いに一抹の不安を抱えながら高専を卒業

そして高専生活最後の夏、地元で行われた海上自衛隊のイベントに行ったり、ミリタリー漫画を読み漁るなど、艦船マニアぶりも加速して有頂天になっていました。

また、ネットで大学生の就職活動について調べ、大手企業に入りやすい高専生の就職活動と比較して優越感に浸るなど自分にとって都合のいい情報に囲まれて周りが完全に見えなくなっていきました。

しかし、高専卒では一定以上の役職に就くことが難しいことや、大学卒より昇進スピードが遅いことなど私にとって不都合な情報もありましたが目をつぶりました。

同級生の中には成績最下層にも関わらず大学編入試験を頑張って国立大学2つに合格した人もいて、私も「大学編入を目指して頑張っておけばよかった」後悔する気持ちが芽生えてきました。しかし、もうどうすることもできないので、大学卒に負けないように頑張ろうと思いました。

卒業するためにそれなりに研究を頑張り、なんとか卒業に漕ぎつけました。一方で仲の良い友達がいる研究室に入り浸ってゲームに熱中したりして友達との時間も楽しみました。

そして、高専を卒業。仲の良かった友達ともあっさりと別れ、以降、疎遠になって今に至るまで誰とも会っていません。同窓会で多分行方不明扱いになっていると思います。こうして、あまりぱっとしなかった私の高専生活は終わりました。

高専卒業から程なくして、会社の寮に入寮する前日となりました。このときまでずっと実家で家族と暮らしてきたため、私にとって初めての一人暮らしが始まります。

在来線、特急、新幹線、バスを乗り継ぎ4時間以上かけて海沿いの田舎町にやってきました。その日はホテルで一泊し、入寮日当日は、午前は町を散策し、午後は寮に集合して説明を受けた後、事前に送った荷物を荷ほどきしたりしました。

寮は、とても古く、風呂、トイレ共同でお世辞にも綺麗とは言えませんが、部屋は元々二人部屋なのを一人用として使うのでそこそこ広かったことを覚えています。

その翌日は、役場で転入手続きを済ませたりしました。次の日はいよいよ入社式です。

大学・大学院卒と別々の入社式で格差を実感

入社式当日の朝、寮の玄関に集合して人事の人が点呼を始めました。ところがいつまで経っても私の名前は呼ばれず点呼が終了してしまいました。

人事の人に聞いてみると「高校からの方ですか?」と言われ、高専から来たと答えると、もう一人の高専卒と思われる人と列の先頭に並ぶことになりました。

人事の人に案内され迎賓館がある工場の正門付近に来ると先頭の私たち二人だけ、そのまま、目の前にある現場のプレハブに向かって進むように言われて、人事の人と大学卒の人達は迎賓館の方に行ってしまいました。

言われた方向に進むと面接の時に案内してくれた人が迎えてくださり、プレハブの最上階に案内してもらいました。そこが私たち高専高卒新入社員の入社式の会場でした。

大学卒本社採用の人達は迎賓館で社長達の出席する盛大な入社式が行われ、高専高卒事業所採用は、プレハブで事業所の幹部が出席する小規模な入社式で、入社式早々大学卒との格差を思い知らされました。

中学の時はそれなりに勉強ができて高専に入って大学卒に劣らない専門知識を身に着けたはずなのに社会に出てみると事業所地元の工業高校卒と一括りに扱われる現実にショックを受けて、入社式を迎えて晴れやかな気持ちは全くありませんでした。

大学編入してたった2年大学に行くか行かないかだけでこんなにも住む世界が変わるのかと思うと後悔の気持ちでいっぱいになりました。

 入社式を終えると、写真撮影やその他の説明など一連の手続きを済ませ、入社初日が終わりました。

大学・大学院卒と分かれた研修・教育体系

入社式の翌日から、新入社員研修が始まりました。新入社員研修も学歴と採用区分によって完全に分けられており、大学大学院卒、高専高卒事務技術職、高卒技能職で別々の研修になります。当然、私は高専高卒事務技術職の研修でした。

初めは、自分の置かれた区分に不満を抱いて周りと少し心の距離を置いていましたが、自分の置かれた状況を跳ね返そうと研修は真剣に受け、変り者の私でしたが高卒の同期達とも仲良くなることができました。そして自分の置かれた状況を少しづつ受け入れるようになりました。

配属先とその仕事・業務内容

新入社員研修が終わり配属となりました。面接してくれた所属長が迎えに来てくれ、私が働く事務所へ案内されました。私の配属された部署は船の生産計画を行う部署で少し歩けば直ぐに現場という場所に事務所がありました。メンバーは約15人程で私は艤装のチームに所属となりました。

一日の流れは、朝は安全具フル装備でラジオ体操、ミーティングをしてそのまま現場をパトロール、その後は事務所で工事の予定や施工方法を考えて資料を作ったり、適宜現場や設計部署に行って作業の確認や関係者との調整を行ったりといった流れとなります。

 初めは設計部署に行って船についての研修を受けたり、同じ部署の方から船の建造について現場や座学で学びました。

私はいわゆる「船マニア」だったので最初は業務と関係のない船についてのマニアックなことを質問したり話したりしていましたが、課長や教育担当にたしなめられ、「オタクの知識はプロの世界では通用しないこと」「プロの世界でオタクは嫌われる」ということを学び、そのような質問や発言は慎むようになりました。

 配属から数か月は設計や現場を色々巡って研修を受けて船の設計や建造について学んでいきました。

私の部署では高卒社員と大卒社員とが混在しており、配属から数年間の仕事内容で高専・高卒社員と大学・大学院卒社員の違いというものはありませんでした。

高専卒と大学卒とのキャリアの違いを実感して悩む

配属後、研修を受けたり、現場実習をしたりしながら6月となりました。

初めての社会人生活に一定の充実感も感じていましたが、周りの様子を見たり話を聞くと私は高専卒事業所採用であるため、大卒本社採用とキャリアコースが異なり、ジョブローテーションはなく基本的にはずっと同じ部署で同じ仕事を続けていくことになることがわかりました。

また、課長以上の役職に就くことも困難であることもわかりました。そのため、このままでいいのか、何か行動しなければと真剣に悩むようになりました。

公務員への転職を考える

休日は同期と遊んだりせずに一人で書店を巡ったりして一人の時間を過ごすことがほとんどでした。高専時代は勉強が得意でも好きでもなかったにも関わらず働き始めて書店に行き、公務員や大学受験の参考書を眺めると「学生時代にもっと自分から勉強しておけばよかったな」と考えることも多くなりました。

そんな中興味を持ったのが公務員試験で、受験資格に学歴は関係なく大卒レベルの公務員試験に合格して転職すれば大卒並みの評価を得られるのではないかと考えました。そして、艦船が好きだった私は公務員試験の中でも海上自衛隊幹部候補生という試験に挑戦しようと思いました。この試験に合格して公務員になれば将来が大きく変えられるという期待が大きくなっていきました。

早速、過去問集や試験に出る科目(社会や地理、化学など)の参考書を購入して毎日夜遅くまで勉強するようになりました。

高専時代テスト前にならなければ自発的に勉強しなかった私が本気で将来を変えるために勉強に打ち込むようになっていきました。そして、高専時代授業についていけなかった物理や数学を改めて勉強して理解してみてると勉強が面白いと思うようになりました。

大学編入を目指すことを決意

自衛隊一般幹部候補生を目指して勉強を始めて8月も終わりに差し掛かりました。高専時代に定期テストを凌ぐためだけに嫌々勉強していてすっかり内容を忘れていた微分積分や線形代数などももう一度基礎から勉強し直すと、勉強することが楽しいと思えるようになりました。そしてだんだんと次のような思いが芽生えてきました。

  • もともと大学を出ていないことがコンプレックスだったので大学編入を目指してもいいのではないか
  • 大学で勉強することが本来やりたいことなのではないか
  • 公務員試験は大学を出てからでも遅くはないのでは
  • 今から大学を目指すと2浪相当になるがそのくらいの遅れは問題ないのではないか

そんな考えが芽生えて大学編入に目標を切り替えることにしました。目指したい大学はもう心の中に決まっていて、配属されて間もなく造船技術者初級研修で講義してくれた先生が在籍する大学で船舶工学が勉強できる某国立大学でした。

まとめ

高専卒で就職して様々な現実に直面して将来を変えるために必死でもがきました。結果的に社会人から大学編入することで将来を変えることができました。

私のようにならないためにも高専からの進路選択は十分に情報収集して慎重に行ってください。

進路選択については、以下の記事も参考にしてください。
高専生のための後悔しない就職活動の進め方
高専生の進路、就職と進学どちらがよいか

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