この記事では、15万円以下で弁理士試験に合格した体験を基にできるだけお金をかけずに弁理士試験最初の関門である短答式試験に合格するための勉強術について紹介します。
最近の短答式試験は難しい
一昔前は弁理士試験の天王山は論文式試験と言われていました。しかし、私が弁理士試験に挑戦を始めた2020年以降は難化傾向にあり、2018年の合格率20%程度だったものが2021年以降12%程度で推移しています。
短答式試験の難しさは、出題範囲が膨大かつ重箱の隅をつつくような問題が多く出ることです、私も「出題範囲が膨大でどこまで勉強すれば合格できるのか先が見えない」、「勉強すべき内容が無限にあって終わりが見えない」ような感じがしました。
また、点数が30点(合格点39点)を超えると勉強しても点数が伸びにくくなり、これもまた辛いところです。私も34点くらいから模試でも伸び悩み、本番では39点ギリギリで合格することができました。
先ずは講座を一周回す
弁理士試験の勉強を始めたら、資格予備校でもオンライン講座でもいいので講座を一周回してみます。わからなくても気にする必要はありません。ここでは、弁理士試験や知的財産の全体像を把握できれば十分です。これだけでも結構な時間が掛かります。私も4か月かかりました。なお、オンライン講座は倍速視聴できますが最初は通常の再生スピードで視聴しました。
復習しながら講座の過去問や練習問題を解いてゆく
とりあえず講座を一周回してみたら、オンライン講座の場合は問題練習機能がついていたりするので、解いてみます。わからなければ、講座を再度視聴してみます。ここからは、倍速(最大でも1.5倍速)視聴を活用してスピードも上げていきます。
オンライン講座の問題練習機能は過去問集よりもボリュームが少ないので全出題範囲について問題を解くということに慣れれば十分です。また、講座を再視聴するので最初よりは理解が深まっていると思います。
また、講座で重要とされる法文や注意点は、四法対照にマーカーを引いたり書き込んでいきます。
過去問集を解いてゆく
短答過去問集を最初から最後まで解きます。かなり分厚い本なので大変ですが単元毎にまとめられているので単元毎に分けて進めていきます。問題毎にチェック欄があるので、理解して解けた問題は〇、なんとなく解けた問題は△、わからない問題は×といった具合に印をつけます。最初はほとんど〇はつかないと思いますが、解説文をしっかり読んで、四法対照や講座でも確認します。
2週目では1周目で△と×をつけた問題のみを解いていきます。そして、△と×が消し込めるまで何周も繰り返します。
四法対照の読み込み
大抵の資格試験は上記のことができれば合格できますが、弁理士試験ではそこからさらに勉強を進めなければ合格はできません。弁理士試験は条文の試験です。条文を読み込むことはしんどいですが条文の試験である以上避けては通れません。これまでの勉強でしたマーカーや書き込みを頼りに条文を読み込んでいきます。ただ条文を眺めているだけでは効果が低いので以下のことを意識するとよいです。
- 特許法は一番重要、特許法で点数がとれないと厳しい
- 実用新案法、意匠法は特許法との共通性を意識して読み込む
- 商標法は、特許法との違いを意識して読み込む
- 条約はPCT規則なども含めると覚えることが無限にあるので、過去問ベースで覚える範囲を絞り込む(例えば、PCT規則を全部覚える必要はない)。深入りは禁物(時間対効果が下がる)。
- 不正競争防止法は確実に点を稼ぐために、しっかり読み込む。
- 著作権法は条文が多いわりに時間帯効果が低いので、過去問ベースで覚える範囲を絞り込む
模試で最後の追い込み
試験直前期になると予備校の模試が行われるのでできるだけ受けておきます。会場受験がベストですが遠方の場合は自宅受験でも可です。自分の実力を測りながら最後の追い込みをします。短答は試験直前の追い込みで点数が伸びることも多いです。そして、毎年たかが1点で笑う人と泣く人が多くいます。1点をがむしゃらに取るつもりで試験本番まで徹底的に自分を追い込みます。
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